研究課題/領域番号 |
12670244
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
福間 利英 久留米大学, 医学部, 教授 (90125146)
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研究分担者 |
原 樹 久留米大学, 医学部, 助手 (30238159)
平田 瑞城 久留米大学, 医学部, 助教授 (70080629)
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キーワード | マラリア / ワクチン / MSP-1 / Trypanosoma brucei / VSG |
研究概要 |
本課題では、Trypanosoma bruceiを利用したマラリアワクチン開発の基礎研究を行っているが、現在までに次のような問題点が確認された。MSP-1遺伝子(msp-1)を組み込んだT. brucei用発現ベクターを作製し、T.bruceiプロサイクリック型原虫(PCF)での発現を試みたが、MSP-1の発現は確認できていない。発現ベクターに組み込んでいる薬剤耐性遺伝子は正常に発現・機能していることと他のタンパク質の遺伝子を組み込んだ場合には問題なく発現されることから、タンパク質のフォールディングなどmsp-1自体に何らかの原因があると推察している。そこで、時間と費用の観点から上記の問題点を解決するのは一旦保留し、「PCFを用いた生ワクチン効果」から「MSP-1とVSG(T.burcei血流型原虫の変異型細胞表面糖タンパク質)の融合タンパク質における後者のアジュバント効果」の利用へと研究の方向を転換した。発現系としては、バキュロウイルス・昆虫細胞系を用いた。まず、ヒスチジンタグ・VSG N末端領域・MSP-1・VSG C末端領域の融合タンパク質とヒスチジンタグ・MSP-1の融合タンパク質を発現させるべく組換えバキュロウイルスの作製を行い、ウエスタンブロットにて目的のタンパク質の発現を確認した。そこで、組換え融合タンパク質の大量分取のため、可溶化と精製の検討を行ったが、これらタンパク質は用いた界面活性剤では可溶化できず、不溶性の膜画分に存在することが判明した。そこで、緩和な条件での可溶化はあきらめ、タンパク質を一部変性させる条件下での可溶化を試みた。その結果、アフィニティーカラムを用いた精製過程を含めて、グアニジンを用いて可溶化した場合に回収率が最も良好であることがわかった。現在、MSP-1組換え融合タンパク質の大量精製を行っており、引続き、これらのワクチンとしての効果をマウスを用いた感染系で検討する予定である。
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