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2001 年度 実績報告書

ディフィシル菌の分子疫学

研究課題

研究課題/領域番号 12670252
研究機関金沢大学

研究代表者

中村 信一  金沢大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90019620)

研究分担者 前側 恒男  金沢大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50283114)
キーワードディフィシル菌 / 抗生物質関連下痢症 / 分子疫学 / PCRリボタイピング / PFGE解析 / 市中感染 / 家族内伝播 / 腸管内保有
研究概要

異なる9群の社会集団(各集団の被験者数,36-627名)における健康成人(18-65歳),合計1,413名の糞便におけるディフィシル菌保有を検討した。各集団のディフィシル菌保有率は4.2〜15.3%であり,総計108名(7.6%)においてディフィシル菌の存在が認められた。PCRリボタイピング及びパルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)により分離菌株の分子遺伝学的特性について検討した。各陽性者について最大5菌株について検討した結果,108名中107名において各自の有する菌株は毒素原性・PCRリポタイピング上同一であり、ディフィシル菌保有者の殆どは各々特定の均一な菌株を保有していた。9集団中3集団において同一のPCRリボタイプ及びPFGEタイプを示す菌株の存在が認められ、社会集団における健康成人間においてもディフィシル菌が伝播する可能性が示唆された。また,ディフィシル菌陽性者中22名について、5〜7ケ月後に再度その家族を含め本菌保有を検討した。同一家族内にディフィシル菌保有者が複数認められた家族は5家族であり、その内1家族においてのみ同一のPCRリポタイプ・PFGEタイプを示すディフィシル菌の保有者(母親及び子供)が認められたにすぎなかった。即ち、ディフィシル菌の家族内伝播は極めて希である事が示唆された。更にディフィシル陽性者108名中42名について6〜7ケ月後に再度検討した結果、14名(33%)に本菌の存在が認められた。14名中6名は初回と同一のPCRリポタイプ・PFGEタイプを示す菌株、7名は異なる菌株、1名は同一の菌株と異なる菌株を保有していた。これらに結果から、全体としてディフィシル菌の腸管内保有は一過性の場合が多いことが考えられた。

研究成果

(1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] H.Kato: "Colonization and transmission of Clostridium difficile in healthy individuals examined by PCR ribotyping and pulsed-field gel electrophoresis"Journal of Medical Microbiology. 50. 720-727 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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