研究課題/領域番号 |
12670265
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
神谷 茂 杏林大学, 医学部, 教授 (10177587)
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研究分担者 |
山口 博之 杏林大学, 医学部, 講師 (40221650)
田口 晴彦 杏林大学, 医学部, 講師 (20146541)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | H.pylori / 熱ショック蛋白 / サイトカイン / ワクチン / エピトープ |
研究概要 |
H.pylorの主要なストレス蛋白であるHSP60が胃粘膜炎症の大きな役割を担うサイトカインの二種、IL-8の産生を誘導することが、精製HSP60およびHSP60融合蛋白を用いた実験により明らかにされた。加えて、精製HSP60が胃上皮細胞にアポトーシスを誘導することも示された。これらの研究結果は本菌HSP60が種々のストレスにより誘導される蛋白であるとともに、胃粘膜にストレスを与える病原因子としても機能する可能性を提示している。 また、H.pylori HSP60は宿主細胞性のHSP60と相同性を有するため、ヒト胃粘膜細胞上に本菌HSP60エピトープが高頻度で検出された。この頻度はH.phlori感染者と非感染者の間で有意な差は認められなかったが、高い反応性エピトープを有する感染者の長期にわたる臨床観察に注目したい。whole HSP60を抗原とした場合、H.pylori感染者の血清は非感染者に比べ、有意に強い反応性を有していた。しかしながら、部分エピトープpH9を抗原とした場合には、非感染者血清が感染者血清に比べ有意に強い反応性を示した。動物実験においても、pH9ペプチドが感染防御を誘導し得ることが示された。H.pylori感染予防にためのワクチンが現在開発されており、本菌HSP60の部分ペプチドも優れたワクチンコンポーネントになり得るものと考えられる。
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