研究課題/領域番号 |
12670284
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
冨山 宏子 熊本大学, エイズ学研究センター, 助手 (50301370)
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研究分担者 |
滝口 雅文 熊本大学, エイズ学研究センター, 教授 (00183450)
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キーワード | HIV-1 / 特異的CD8 T細胞 / HIV-1 / テトラマー / perforin / 細胞傷害活性 / エフェクター細胞 |
研究概要 |
HIV-1が特異的T細胞の認識を回避する機序は明らかにされてはいない。最近、HIV-1特異的CD8^+T細胞は、perforinの発現が低くまた細胞傷害活性も低いことが報告された。今回われわれも、慢性HIV-1感染者の特異的CD8^+T細胞をHIV-1/テトラマーを用いて検出し、perforinの発現量を解析したところ、その発現量は健常人のCD8^+T細胞と比較して低かった。詳細な解析を行った結果、エフェクタータイプと考えられる(CD28^-CD45RA^+)HIV-1特異的CD8^+T細胞のperforin発現量が低いことが明らかにされた。さらに、メモリーエフェクター(CD28^-CD45RA^-及びエフェクタータイプのCD8^+T細胞をHIV-1感染者の末梢血リンパ球からソーティングによって分離し、そのHIV-1特異的細胞傷害活性を解析したところ、メモリータイプのCD8^+T細胞分画には高い特異的細胞傷害活性が認められたが、エフェクター細胞にはその活性が認められなかった。これらの結果から、HIV-1感染細胞の除去にはメモリーエフェクタータイプの細胞が大きな役割をもっていることが示唆された。一方、エフェクター細胞には特に強い細胞傷害活性が認められる事がすでに報告されており、HIV-1特異的なエフェクタータイプのCD8^+T細胞に細胞傷害活性が認められなかった事は、特異的CD8T細胞がHIV-1感染細胞を完全に除去出来ない一つの原因とも考えられる。今後、この表現型を持つ細胞の抗原刺激に対する反応について、さらに詳細な解析を行う予定である。
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