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2000 年度 実績報告書

C型肝炎ウイルス感染性クローンを用いたウイルス増殖系の開発と応用

研究課題

研究課題/領域番号 12670290
研究機関国立がんセンター

研究代表者

杉山 和夫  国立がんセンター研究所, ウイルス部, 研究員 (10242520)

キーワードC型肝炎ウイルス / 感染性クローン / レトロウイルスベクター
研究概要

C型肝炎ウイルス(HCV)感染培養細胞系において優位に増殖する特定のHCV分子種をクローニングし、そのコンセンサス配列をもつ全長HCVクローンを作製した。これからRNAを合成し、培養細胞へトランスフェクションする事によって、HCVビリオンを産生する培養細胞系の確立を試みた。その際、トランスフェクションすべき細胞にあらかじめHCV非構造遺伝子をレトロウイルスベクターを用いて導入することによって、より効率的なHCV増殖産生系の確立をめざした。
CMV promoter下でこのクローンを発現させた場合、さらに、in vitro転写翻訳システムで発現させた場合、各種HCVタンパクの発現が確認できた。また、このクローンのNS5B領域を大腸菌で発現精製すると、RNA dependent RNA polymerase活性が認められた。これらの結果から、作製されたコンセンサスクローンが各種HCVタンパクを発現し、少なくともproteinase活性、polymerase活性を有することが確認された。
HCV非構造遺伝子を予めレトロウイルスで導入した細胞(NS細胞)に、プラス鎖の全長コンセンサスHCV RNA(rM1LE)、および、5B領域を欠失したRNA(rD5B)をそれぞれトランスフェクションし、5日目の細胞内HCV copy数を算出した。その結果、Mockの細胞に対してはrM1LEをトランスフェクションした場合にのみ高いHCV copy数が認められた。一方、NS細胞では、rM1LEだけでなくrD5Bをトランスフェクションした場合にも高いHCV copyが認められた。すなわち、NS5Bがtransまたはcisに供給された場合のみHCVの複製が認められた。今のところ、本システムにおいてはHCV複製はある程度起きているがそれ以上に分解が早く、さらに改良が必要であると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Tanaka,K.Sugiyama: "Hepatitis C virus NS5B RNA replicase specifically binds ribosomes."Microbiol.Immunol.. 44. 543-550 (2000)

  • [文献書誌] M.Ikeda,K.Sugiyama: "Characterization of antiviral activity of lactoferrin against hepatitis C virus infection in human cultured cells."Virus Research. 66. 51-63 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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