研究課題/領域番号 |
12670302
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
片桐 晃子 京都大学, 医学研究科, 講師 (00322157)
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研究分担者 |
木梨 達雄 京都大学, 医学研究科, 教授 (30202039)
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キーワード | LFA-1 / Rap1 / T cell-APC interaction / IL-2 / AICD / Anergy / TCR triggering / Adhesion |
研究概要 |
昨年度、筆者らはTCR刺激後に生じるLFA-1の接着性上昇及びT細胞・APC間の安定な接着は、主に低分子量G蛋白質、Rap1の活性化によること及び、Rap1の活性化の度合いが免疫応答に多大な影響(無反応、AICD、Aneigy)を与えることを明らかとした今年度は更に、1) Rap1がT cell-APC間の接着動態にどのような影響を与えるのかをsingel cell levelで解析し、Rap1によってTCRシグナル及び免疫応答が調節されるメカニズムを探った。また、2) 共刺激分子CD28がこれを制御する可能性を検討した。T cellは抗原をloadしていないAPCと遭遇しても通り過ぎるが、抗原をloadしたAPCと遭遇すると接着した。しかしながらその後もAPC上を移動し続け、接着面は数分単位で変化することが判った。Rap1の活性化レベルが3倍以上に増強したtransfectantsでは、antigen stoppingを起こし、30分以上持続するAPCとの安定な接着面を形成することが判った。これに伴って、TCRのcluster形成、lipid raftのcontact面への集積、MTOCのcontact面近傍への移動が認められ、免疫シナプスが形成されていることが判明した。従って免疫シナプス形成にはRap1の活性化レベルが重要な調節因子のひとつであることが示唆された。Jurkat cellを用いた実験で、CD28を架橋すると、TCRを介したRap1の活性化が抑制され、LFA-1/ICAM-1接着の上昇が阻害された。また上述のRap1-transfectantにCD28を強発現させると、抗原刺激によるAICDが抑制されることが判明した。CD28は過剰なTcell-APC接着とそれに続くTCR triggeringを低下させ、AICDを阻止する可能牲が示唆された。
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