研究課題/領域番号 |
12670339
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小林 理子 北海道大学, 保健管理センター, 講師 (90281823)
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研究分担者 |
福田 紀子 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (20173354)
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キーワード | 高齢者 / 睡眠障害 / 高照度光 / 睡眠評価 / ポリソムノグラフィ / 活動量 / 老人病院 / 光環境 |
研究概要 |
【目的】本研究の目的は、高齢者における睡眠・覚醒障害の実態を把握し、光環境との関連を明らかにすることである。 【方法】札幌市内の老人病院に入院中の高齢者を対象に、一週間連続して、看護スタッフが睡眠日誌、睡眠調査票の記入を行った。さらに、そのうち、本人ならびに家族から文書による同意を得られた、1週間のうち4日以上、何らかの睡眠障害のある高齢者10名について昼食時に8000ルクス1時間の光付加を行った。7月末から10月初旬まで、夏季にあたる9週間を、各3週間毎に、日常生活の照度下(1000ルクス以下)で過ごす前光照射条件(前条件)、次に光照射条件(中条件)、再び、日常生活の照度下で過ごす、後光照射条件(後条件)と設定し、10症例に同時にプログラムを行った。いずれの条件でも、毎週月曜日から金曜日までの5日間、午前11時半から12時半の1時間を、被験者は看護者とともに、光療法室で過ごすようにした。睡眠評価尺度、睡眠脳波、活動量について検討を行った。 【結果】入院高齢者のうち、約9割に中途覚醒をはじめとする睡眠・覚醒の障害が認められた。睡眠障害を有する高齢者10例について行った光付加に関する検討の結果は次の通りである。睡眠尺度によると、入眠、中途覚醒、早朝覚醒、午前の眠気の項目で、中条件では前条件ならびに後条件と比較して、評価点が低下、すなわち改善しており、特に午前中の眠気と入眠については中条件下で統計学的に改善する傾向が認められた。睡眠脳波が検討可能であった4例では、睡眠時間が短縮するとともに、4例全例で睡眠段階2が増加していた。活動量については、10例中4例で、夜間の活動量が低下する傾向が認められた。以上を総合すると、昼食時の高照度の光付加は、入院高齢者の睡眠障害を改善させることが示唆された。
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