研究概要 |
平成13年度の予定は,【encircled 1】平成12年度に不十分であった塵肺検診対象職場での集団CT検診の実施,【encircled 2】平成12年度に実施した千葉県富里地区での集団CT検診での塵肺等間質性陰影の読影,【encircled 3】12年度に構築したCT読影・所見入力システムの試用およびそのバージョンアップ,の3点であった.しかし,【encircled 1】については今年度も塵埃職場を有する企業の許可が得られず断念した.【encircled 2】については1cmスライス厚の写真での判読は小粒状影という間質性陰影を呈した症例は極めて少なく新たな知見は得ることができなかった.一方,【encircled 3】に関しては,以下のように大いに成果をあげることができた.なおこの【encircled 3】についてはNTTサイバーソリューションとの共同研究である. まず,昨年の報告のようにCT画像データをDICOM化し,パソコンのサーバーに保存した.また,過年度の画像データもあればそれも同じサーバーに保存し,比較読影のためのデータとした.そして当該年度のCTをパソコンのCRTで読影し,所見を同一のCRT上からマウス操作で入力できるようにした.その際,過年度のCTと比較する場合にはローマ字氏名によるソーティングで直ちに過年度CTが同CRT上に描出できるようにした.比較読影後にも最終読影結果入力をCRT上でのマウス操作でできるようにした.そして,これらの入力結果はエクセルフォーマットに乗り,印刷はもちろん集計も容易になった.この比較読影システムは,もしらせんCTにより塵肺検診が行われれば,経年変化を観察するのにきわめて有用であろうと考えられた.
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