研究概要 |
これまでわれわれが開発してきた車載型らせんCTによる肺癌検診システムの機能をさらに向上させ,これを塵肺検診に応用して検討することを目的とした. CT検診機能の向上に関してはCRT上での迅速比較読影とキー入力を必要としない所見入力を可能にするよう試みた.これらの研究に関してはNTTサイバーソリューション研究所と共同で研究した.CT画像データをDICOM化して患者情報と共にパソコンサーバーにデータベースを作り,当該年度の画像を読影する際にかな氏名によるソーティングで過去画像を呼び出せるようにした.これにより1つのCRT画面に現時点の画像と過去画像の両方を呈示できるようになり迅速な比較読影が可能となった.また,通常読影および比較読影の結果所見をパソコンのキー入力でなくマウスクリック操作だけで行い,病変のマーキングも可能とした.所見,病名も選択できるように予めこれらの候補を作成入力した.塵肺に関しては粒状影,線維化巣,結節影を該当させた.これらの入力結果覧はエクセル形式で印刷できるようにした. 以上のように,CT検診機能向上の研究は従来の肺癌検診を行いつつ遂行し,大きな成果が得られた.そして一方で塵肺検診の実践の場を得るべく複数の企業と交渉してきた.しかし塵肺は補償と絡むので企業側の協力が得られず現場での実践は断念せざるをえなかった.
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