研究概要 |
花粉等環境アレルゲンの生態影響検討のために,抗原を96穴プレートに固定させ,患者血清IgE抗体と反応させるELISA(Enzyme-Linked Immunosorbent Assay)法を確立した。スギ抗原を用いた実験で,従来のRAST(Radioallergosorbent Test)法に相当する感度を示し,多数のアレルゲン評価のために有効であることが実証された。 環境中アレルゲンとしては,メタセコイア等スギ以外の花粉とともに天然ゴム等に由来するラテックス・アレルゲン粒子の重要性が示唆された。またスギ花粉主要Cry j 1について検討し,スギ品種間の個体差の存在することを証明した。 空中スギ花粉と花粉症患者発生の関係を検討し,経年的患者発生数の推移に空中花粉量が大きな影響を与えていることを証明した。しかし,花粉症の地域疫学的検討では,スギ花粉量だけでは花粉症有病率の増加は十分説明できず,その他の要因の複合作用を含め,環境要因を更に詳しく分析することが課題となっている。
|