研究概要 |
【背景・目的】平成12年度に低ナトリウム調味料の1週間の使用は、食塩の24時間尿中排泄量を有意に低下させることを明らかにした。平成13年度に低ナトリウム調味料の長期使用(6週間)の実行可能性と血圧に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした食事介入試験を開始した。本報告は昨年の中間報告に続く最終報告である【方法】方法は既報(平成13年度実績報告書)の通りである。試験方法:二重盲検無作為化比較試験(パラレル法)。対象:インフォームドコンセントが得られた1地域、2職域の成人男女、介入期間:6週間、介入に用いた調味料:(1)低ナトリウム調味料:醤油(食塩12g/100ml)、味噌(9.4g/100g)、(2)対象調味料:醤油(16g/100ml)、味噌(11.9g/100g)。評価指標:血圧,味。【結果】最終的に低ナトリウム調味料(介入)群32人、対象調味料(コントロール)群32人が無作為に割り付けられた。介入群とコントロール群において、性、年齢、BMI、血圧、降圧剤服用者の割合に有意な差は見られなかった。6週間の試験終了後、群間の血圧値に有意な差はみられなかった。40歳以上の群では、拡張期血圧は介入群で有意に低下(-6.4mmHg,p=0.02)したが、収縮期血圧には有意な低下は見られなかった。高血圧者では収縮期血圧、拡張期血圧ともに介入群で低下する傾向がみられたが、統計学的に有意ではなかった。低ナトリウム調味料の味の評価は良好であった。【結論】一般住民における低ナトリウム調味料の受け入れは良好であった。低ナトリウム調味料の使用により、40歳以上の拡張期血圧は有意に低下したことから、低ナトリウム調味料の使用をわが国における減塩対策の一手段としてすすめていくことが期待される。
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