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2000 年度 実績報告書

血中LDLコレステロール分画に対する遺伝子多型と生活習慣の影響

研究課題

研究課題/領域番号 12670355
研究機関島根医科大学

研究代表者

塩飽 邦憲  島根医科大学, 医学部, 助教授 (10108384)

キーワードLDLコレステロール / 小径高比重LDL / ゲル電気泳動 / 超遠心分離 / 中性脂肪 / HDL-コレステロール / VLDL
研究概要

島根県農村地域において、食行動およびウオーキングによる健康づくり教室に参加した平均年齢51.4歳の女性を対象に空腹時採血を行った。EDTA添加により採取した血漿をGriffinら(1990)の方法により超遠心し、VLDL,LDL-I,-II,-IIIに比重によりリポ蛋白毎に分画した。デジタルカメラ画像の黄色の最も濃い分画を同定し(LDL比重)、分取して蛋白および脂質の測定を行った。また、マルチゲル-リポ(第一化学薬品)によりLDLを分離し(LDL径)大、中、小の3類型に分けた。LDL比重の最も軽いLDL-Iが最も濃かった群は、LDL径の大径群が最も多く、LDL比重の最も重いLDL-IIIが最も濃かった群は、LDL径の小径群が最も多く、両者はよく相関していた。LDL径と各リポ蛋白重量(蛋白、リン脂質、コレステロール、中性脂肪の合計)では、LDL径の中径群に対して、大径群のVLDLとLDL-III重量が有意に低下し、小径群のVLDLとLDL-III重量が有意に増加していた。LDL径によりLDL-I重量は変化せず、LDL-IIはLDL径が小さくなるほど増加したが有意な差ではなかった。LDL比重とリポ蛋白重量も同様な傾向を示した。LDL径と血清脂質との関係では、リン脂質、総コレステロールには有意差がないが、中径群に比較して大径群は、LDLコレステロールと中性脂肪が有意に減少し、HDLコレステロールが有意に増加していた。小径群は、中性脂肪が有意に増加し、HDLコレステロールが有意に減少していた。超遠心法とゲル電気泳導法によるLDLの分布にはよい相関性があり、疫学調査にはゲル電気泳導法が簡便で有用性が高いことが明らかになった。また、小径LDLは、VLDLとLDL-III重量、中性脂肪が有意に増加し、HDLコレステロールが有意に減少しており、Multiple Risk Factor Syndromeのよい指標と考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 乃木章子 他: "生活習慣病増加と栄養I教育の課題"医学看護学教育学会誌. 10. 28-32 (2000)

  • [文献書誌] 乃木章子 他: "健康な労働者における脂満とβ_3-アドレナリン受容体遺伝子多型の関連"島根女子短期大学紀要. 37. 1-8 (2001)

  • [文献書誌] アヌーラド・エルデムビレグ 他: "LDLコレステロールへの遺伝子多型と生活習慣の影響(1)"産業衛生学雑誌. 42(臨増). 421 (2000)

  • [文献書誌] アヌーラド・エルデムビレグ 他: "LDLコレステロールへの遺伝子多型と生活習慣の影響(2)"日本公衆衛生学雑誌. 47(11). 481 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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