研究課題/領域番号 |
12670359
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
早川 式彦 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (40022834)
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研究分担者 |
松浦 正明 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助教授 (40173794)
中根 允文 長崎大学, 医学部, 教授 (80039833)
山脇 成人 広島大学, 医学部, 教授 (40230601)
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キーワード | PTSD / JCO事故 / 疫学調査 / GHQ調査票 |
研究概要 |
原爆被爆者は1945年に原爆に被爆し、すでに55年以上経過しており、原爆に被曝したことによるストレス障害の調査は、いろいろな社会要因、環境要因、マスメディアなどにより大きく修飾されているため、明確な被曝との関連を解明するのに困難である。1999年9月に起こった、茨城県東海村の核燃料処理施設JCOによる中性子線被曝事故で、実際には、人体に影響のあるような放射線被曝はないが、避難勧告を受けた住民、屋内待機状態におかれた住民における、ストレス障害の状態科学的に解明する目的で、JCOの事故現場を中心に、半径500m以上1,000m以内に居住している約400世帯を対象に80世帯を無作為抽出し、事前に、General Health Quetinairを対象家庭に郵送により送付し、大学院の学生により各家庭を訪問し、記載漏れのないように確認を行い回収をおこなった。しかし、拒否者が多く、二次候補世帯に対し追加調査を行い80世帯の調査が終わった段階である。当地区には、すでに、科学技術庁を中心にする各種の調査がされており、一般に公開されていないが、報告書も提出されているとの情報もあり、それらの資料の入手を行っており、比較検討する予定である。また、水戸市内にある常盤大学においても、東海村、那珂町、日立市等に居住している学生に対して、1999年10月と2000年10月に事故後ストレス障害調査を行っており、1年後にはかなり障害が消失している傾向を把握している等の情報も把握した。次年度には、もう少し対象を増加して、各種の統計的手法を用いて解析し、実際には身体的には放射線の被曝障害のない集団において、情報(行政機関)の出し方によったり、適切な対応や情報の提供がない場合のストレス障害症候群の一般住民における精細な解析を行う予定である。
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