研究概要 |
京都府下の一地域における30歳以上の一般住民7,000人を対象にした健康関連QOLとしてのEuroQol、既往疾患、飲酒、喫煙、食事摂取や運動などのライフスタイル、ADL(日常生活活動度)などについての調査回答者4,900人のデータを整理し、コンピュータヘ入力した。 回答者は男性2,155人、女性2,745人、合計4,900人で回収率は男性71.2%、女性68.2%、合計70.0%であった。年齢階級別の回答者数は、60歳代が男女合計で1,276人と最も多く、次いで70歳代、50歳代、40歳代、80歳代、30歳代の順であった。 EuroQolは「移動の程度」、「身の周りの管理」、「ふだんの活動」、「痛みや不快感」、「不安やふさぎ込み」の5項目についての3段階の回答選択肢から回答するもので、それぞれの回答選択肢の組合わせに対して標準的な日本人集団をもとにした評価点数であるタリフスコアが定められており、最低-0.107、最高1.000の範囲の数値で表現されるものである。回答者のうち欠損回答のなかった4,407人のタリフスコアは-0.107〜1.000に分布し、最も良いQOLの状態である1.000点は61.0%を占めていた。タリフスコアが1.000点の者の割合は年齢階級が大きくなるほど少なくなる傾向があった。5項目のそれぞれについて問題がある回答者の割合は、いずれの項目でも年齢階級が大きくなるほど大きくなる傾向があった。また、「今日の健康状態」に対する3段階の選択肢回答でも、Visual analogue scale(VAS)による回答でも、年齢階級が大きくなるほど「よりよい」状態の者の割合が減ずる傾向があった。EuroQolのタリフスコアと「今日の健康状態」に対するVASによる回答とのPeasonの相関係数は、0.531であり、有意(P=0.000)な正の相関であった。
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