研究概要 |
京都府内の一事業所における従業員2,130人を対象に、2001年5下旬に健康関連QOLとしてのEuroQol EQ-5Dについての調査を行い、回答者1,367人の回答を得、データを整理し、コンピュータへ入力した。 回答者は男性1,111人、女性256人、合計1,367人で回収率は64.2%であった。年齢階級別の回答者数は、50歳代が男女合計で31.6%と最も多く、次いで30歳代、40歳代、20歳代以下、60歳代以上の順であった。 EuroQolは「移動の程度」、「身の周りの管理」、「ふだんの活動」、「痛みや不快感」、「不安やふさぎ込み」の5項目についての3段階の回答選択肢から回答するもので、それぞれの回答選択肢の組合わせに対して標準的な日本人集団をもとにした評価点数である効用値が定められており、最低-0.111、最高1.000の範囲の数値で表現されるものである。回答者の効用値は0.444〜1.000に分布し、最も良いQOLの状態である1.000点は72.7%を占めていた。 この集団の2000年6月から2001年5月までの診療報酬明細書(レセプト)を調査した。QOL調査前の1年間に受療ありの者のは割合、効用値1.000の者で78.2%効用値1.000未満の者で83.5%であり、効用値1.000の者に有意(P<0.005)に低かった。QOL調査前の1月間に受療ありの者のは割合、効用値1.000の者で65.0%効用値1.000未満の者で77.2%であり、効用値1.000の者に有意(P<0.05)に低かった。 今後、解析対象者がQOL調査前の1年間にこの事業所の保険組合に所属していたか否かを確認する必要がある。
|