研究課題/領域番号 |
12670374
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
足達 寿 久留米大学, 医学部, 講師 (40212518)
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研究分担者 |
藤浦 芳久 久留米大学, 医学部, 助手 (90309782)
平井 祐治 久留米大学, 医学部, 助手 (70309780)
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キーワード | レムナント様リポ蛋白コレステロール / 動脈硬化 / 疫学的研究 |
研究概要 |
レムナント様リポ蛋白コレステロール(RLP-C)は、動脈硬化性疾患として知られる冠疾患、脳梗塞などにおいて有意に高値であるとの報告が見られる。また、糖尿病患者では、非糖尿病者に比較し、動脈硬化性疾患の頻度は2〜3倍であると言われているが、その背景として、高血圧、高脂血症、肥満などのいわゆるMultiple risk factorが集積していることが挙げられている。そこで、今回、一般住民検診においてRLP-Cと冠危険因子との関連および新たな概念として定着しつつあるインスリン抵抗性との関連を検討した。 対象は、1999年に行った福岡県田主丸町における住民検診受診者のうち、早朝空腹時に採血し、データが完全であった1465名(男性591名、女性874名:平均年齢:62.7歳)である。検診項目は、RLP-Cの他、BMI、Waist-hip ratio、収縮期・拡張期血圧、総コレステロール、HDL-コレステロール、中性脂肪、尿酸、血糖、インスリン、インスリン抵抗性の指標としてのHOMA指数、ヘモグロビンA1c、降圧薬、高脂質血症治療薬、血糖降下薬内服の有無である。 RLP-Cの平均値は、男性3.52mg/dl、女性3.46mg/dlであり、性差は認めなかった。RLP-Cは年代別に見ると、男性は40歳代、女性は60歳代が最も高値であった。性、年齢、降圧薬内服の有無で補正した重回帰分析の結果、RLP-Cは、BMI、Waist-hip ratio、尿酸、血糖、インスリン、HOMA指数、ヘモグロビンA1cと有意に正の関連を、HDL-コレステロールと負の関連を認めた。以上の結果、RLP-Cはインスリン抵抗性と有意に関連していた。Multiple risk factor syndromeにおける脂質代謝異常では、高中性脂肪、低HDL-コレステロールに加え、高RLP-Cの管理も重要であると考えられた。
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