研究概要 |
目的:本介入研究は、地域高齢者の老化の進行を遅延させる手段・施策の開発を目的として、2000年度より3年計画で開始された。対象・方法:介入地域は、秋田県南外村である。本介入研究を行うにあたり、南外村行政との継続的な協力がえられ、研究開始年度にあたる本年度はベースライン調査を行った。対象は、2000年6月1日現在、同村に在住する65歳以上の全住民1338名である。そのうち54名は入院、入所ならびに長期不在のため対象から除外され、1284名をベースライン調査の対象として参加を呼びかけた。その結果、男性439名、女性586名がベースライン調査に参加し、全体の参加率は80.0%であった。ベースライン調査は、医学検診と面接聞き取り法による総合健康調査で構成された。医学検診では、身体栄養指標として血清アルブミン、総コレステロール、HDLコレステロール、血色素などを選び測定した。総合健康調査では、健康度自己評価、慢性疾患罹病および受療状況、抑うつ度、ADL,移動能力、老研式活動能力指標による生活機能の自立性、15食品群別摂取頻度、運動習慣、喫煙習慣、飲酒習慣、趣味および余暇活動状況などを調査した。結果・考察:調査参加者の84.1%が一人で外出できる移動能力を保持していた。血清アルブミン値の平均値は男性4..2±0.2mg/dL、女性4..3±0.2mg/dL、総コレステロールのそれは、男性177.4±30.5mg/dL、女性203.8±31.8mg/dLであった。毎日肉類を摂取する者は28.8%であった。油脂類を毎日摂取する者は56.2%でった。介入対象の生活機能の自立性は高いことが確認できた。肉類、油脂類の摂取頻度が低く栄養改善の必要のあることが示された。介入活動:介入プログラムの展開では、低栄養予防のための食生活指針をあげ、老人クラブ活動、婦人会ボランティア活動等で展開中である。余暇・運動プログラムは、老人クラブ活動で運営している。
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