研究概要 |
マウス腎の年齢依存性発現タンパク質M-LPに関する研究 1.M-LPの細胞内局在 M-LPのアミノ酸配列および疎水性プロファイルは,ペルオキシソーム膜タンパク質Mpv17 proteinのものと高い相同性を持つことから,M-LPもペルオキシソームに局在することが予想された。そこで、ペルオキシソームマーカータンパク質DsRED2-PTS1とGFP標識M-LPの遺伝子をCOS-7細胞内で同時に発現させて両者に由来する蛍光を観察した。C末端をGFP標識したM-LPの蛍光スポットは,DsRED2-PTS1のスポットと完全に一致しており,M-LPがペルオキシソームに局在することが示された。 2.M-LPのペルオキシソーム局在化シグナル N末端あるいはC末端の一部を欠失した一連のM-LP変異体を作製して,それぞれの蛍光シグナルの局在を解析した。その結果、M-LPのペルオキシソーム局在化シグナルは,N末端から16〜55番目のアミノ酸配列に存在することが示された。 3.M-LP発現による抗酸化酵素活性および遺伝子発現量の変化 M-LP遺伝子をCOS-7細胞内に導入して発現させ,各抗酸化酵素の活性および遺伝子発現量に及ぼす影響について検討した。GpxおよびCATの活性に変化は認められなかったが,細胞抽出液中のSOD活性は.対照細胞に比して有意に上昇していた。また,SODの各アイソザイムのうち、SOD-2のmRNA量が有意に増加していた。したがって、SOD活性の上昇はSOD-2遺伝子発現量の増加に起因するものと考えられ、M-LPが活性酸素の除去機構に関与している可能性が示唆された。
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