研究課題/領域番号 |
12670394
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
足立 順子 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40030887)
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研究分担者 |
富田 正文 川崎医科大学, 講師 (50113197)
浅野 水辺 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90283879)
上野 易弘 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30184956)
内藤 猛章 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (00068339)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | フリーラジカル / コレステロール過酸化物 / パラコート / アルコール / 骨格筋 / 過酸化脂質 / ラット / 一酸化炭素 |
研究概要 |
1.パラコート中毒 パラコート中毒による膜脂質過酸化を調べるため、パラコート10mg/kgをラットの腹腔内に一回投与し、腎、肝、肺におけるコレステロール過酸化物(Ch-OOH)濃度の経時変化を調べた。投与2時間後において、腎では2倍、肝では1.5倍にCh-OOHが増加した。1日後、及び5日後においても腎では対照値の2倍に増加したままであった。 パラコート中毒では間質性肺炎の他に尿細管壊死等の腎障害も併発し、死に至る。今日の投与量はごく少量であるにもかかわらず、腎のCh-OOHが2倍に増加していたことは腎障害発現のトリガーとなることを示唆している。 2.アルコール性筋障害 アルコール長期摂取により筋障害が60%の高率で起こる。組織学的に分析すると、骨格筋Type II fiberの選択的萎縮が認められる。アルコール投与ラットにおいて骨格筋の脂質過酸化を指標として筋障害を調べた。ラットに75mmol/kgのアルコールを1同腹腔内投与し、2.5時間及び24時間後にヒラメ筋(soleus, Type I fiber優位)と足底筋(plantaris, Type II fiber優位)を採取し、膜脂質のCh-OOHを定量した。アルコール投与24時間後に、ヒラメ筋足底筋において、7α-OOH、7β-OOHはともに30-40%の上昇が見られ、アルコール1回投与によっても骨格筋の脂質過酸化の亢進が見られた。一方、投与後の早い時期(2.5h)においては、足底筋では7α-OOH,7β-OOHともに上昇は見られたが、ヒラメ筋では変化が見られなかった。これはType II fiberが障害を受けやすいことを示唆するものである。 3.一酸化炭素中毒 CO中毒における遅発性脳損傷をコレステロール酸化物(oxysterol)を指標として脂質過酸化の視点から調べた。ラットにCO1005ppmを1.5時間吸入させ、一方hypoxia(低酸素障害)とCO中毒の間に脂質過酸化に差があり、CO中毒による脳障害がhypoxiaでは説明できなかった。
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