研究概要 |
1.Astocyteの核浸縮像の検討 前年度までの検討によって,様々な死因の解剖例において,受傷から死亡まで1時間未消の早期死亡例の多くにastmc7to(AC)の核浸縮像を認め,それ以上生存した例にほ認められないことが示されたため,脳の部位別に核濃縮像の有無を検討した。Glial fibrillary acidic protein(GFAP)に対する抗体を用いてACを免疫染色して,刺創に基づく失血によって受傷後数分で死亡した例と銃創に基づく失血によって受信後ごく短時間で死亡した例について核濃縮像を検討したところ,数分生存した例では瞬梁・大勝白質にのみ核濃縮像を認め,脳幹.・小脳には認めなかった。一方,ごく短時間で死亡した例でほ・脳梁・大脳白質・脳幹・小脳の全てに濃縮像を認めた。したがって,このGFAP染色によるAC核濃縮像の観察は受傷から死亡までの期間を推定する上で有用であり,部位別に検討することによってさらに詳細に推定できる可能性が示唆された。 2.グリア細胞の変化の総合的検討 死因にかかわらずACの核濃縮像は受傷後早期に死亡した例のみに認められる一方,CNPase染色によるoligo-dendroglia(OG)の観察では頭部外傷例の早期死亡例のみ核準備を示すに0Gが染色されたため,今後さらに検討する価値があるものと考える。RCA1染色によるmicroglia(MG)の概集では,早期死亡例においてはresting MG以外の変化は認められなかった。
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