研究分担者 |
吉田 兼重 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
松崎 剛 国立相模原病院, 臨床研究部, 技官(研究職)
森 晶夫 国立相模原病院, 臨床研究部, 技官(研究職)
田中 康子 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
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研究概要 |
今回われわれはアレルゲン特異的T細胞クローンを8-azaguanin抵抗性ヒト変異T細胞(CEM-8Az)と融合することにより、ヒトT細胞ハイブリドーマを作製することを試みた。IL-5産生T細胞クローンをCEM-8Azと融合することにより、活性化により、IL-5mRNAを発現するSA-1細胞を得ることができた。IL-5非産生T細胞クローンとCEM-8Azとの融合では、IL-5mRNAを発現できないT細胞ハイブリドーマ(SA-4)細胞のみが得られた。SA-1,SA-4、およびCEM-8Az細胞のIL-2,IL-4,IL-5遺伝子転写活性を比較したところ、pIL-2(-480)Luc,pIL-4(-270)LucあるいはpIL-5(-511)Lucを導入した各細胞ではPMA(20nM)およびIOM(1mM)の刺激に応じて、pIL-2(-480)LucとpIL-4(-270)Lucの活発な転写が認められた。興味あることに、pIL-5(-511)Lucを導入したSA-1細胞においては刺激により27倍に達するルシフェラーゼ活性の上昇が誘導されたのに対し、pIL-5(-511)Lucを導入したSA-4およびCEM-8Az細胞では、プロモーターを持たないpGL-2基本ベクターを導入した細胞と比較して、同程度のルシフェラーゼ活性が認められたにすぎない点である。すなわち515塩基対のヒトII-5プロモーター/エンハンサー断片により誘導される遺伝子転写は、IL-5遺伝子を発現しうるハイブリドーマにおいてのみ認められ、IL-5を発現し得ないハイブリドーマやCEM-8Azでは認められなかった。上記の結果は、ヒトIL-5遺伝子の約500塩基対のプロモーター/エンハンサー領域をポジティブに調節する転写因子(群)(NF-IL5)が存在することを強く示唆している。
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