研究概要 |
慢性関節リウマチ(RA)の遺伝要因を、マイクロサテライト(MS)、単塩基多型(SNP)を用いて分析し明らかにする事を本研究は目的とする。本年度は交付申請書の実施計画の基づき、以下の研究を行った。RA家系は60家系を登録した。このうち52家系を用いて、マイクロサテライトのスクリーニングを行い、一次スクリーニングを暫定的に完了した。Sib pair法で分析した結果、前年度までの領域に加えてLod値1.2以上の候補領域をさらに4ヵ所追加し(TIRA6-9)、漸実的な候補領域としてTIRA1-9を得た。各々染色体3、11、17、18、X、8、8、7、2の105-141、25-50、94-124、0-33、25-46、8-41、140-155、115-165、28-73cMに位置していた。その他chr.2の85 110cM、chr.3の0-20cM、chr.Xの139-165cMの領域でLOD値0.8以上の高値が認められた。これらの領域を既報と比較すると、TIRA1,6はCornelisの報告と、TIRA1,3,5,6はJawaheerの報告と、TIRA5はMackayの報告と近似していた。これらの領域には多くの候補遺伝子が存在し、例えばVIL2、TACTILE、B4GALT4(TIRA1)、CD44、BTF3、CD59(TIRA2)、ITGB4、API4、TIMP2(TIRA3)、TGIF(TIRA4)、FIGF(TIRA5)、CTSB、PDGFRL(TIRA6)、SLAT4A(TIRA7)、LAMB1、PBEF、IRFS(TIRA8)、TIMP3、ZNT3、LTBP1(TIRA9)などが存在している。さらに、相関分析を行うための、正常人サンプル収集を開始し、来年度早々には100検体が集まる予定である。又、同様な目的のためのRAサンプルの収集を開始した。SNPの検討は、まずCTLA-4多型をtergetとして開始した。基礎検討は終了した。RAの候補領域と、臨床データーの関連は、未だ有意なものは得られていない。
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