研究概要 |
インターロイキン9(IL-9)で気管支上皮細胞のcell lineであるBEAS 2Bを刺激して培養すると,培養上清中にヒト好中球に対して走化性を有し,好酸球に対しては走化性を有さない因子が誘導された。この因子の走化性はRANTES,インターロイキン8に対するモノクロナール抗体によっては抑制されず、抗G-CSF抗体によってその走化性は抑制された。IL-9によるBEAS 2B刺激への培養上清中のサイトカインをELISAにより測定するとG-CSFを検出した。 アレルギー疾患の気管支洗浄液中の好酸球には通常発現していないCD4抗原が発現し,in vitroでは好酸球とTNF-αと共に培養すると新たにCD4が好酸球上に発現する。この炎症局所へのCD4+好酸球浸潤機構の解析の目的のために,CD4+好酸球をcheckerboardを用いてインターロイキン16に対する走化性を検討した。その結果CD4+好酸球の走化性はIL-16に対するchemotaxisとchemochinesisを認めた。その走化性はテオフィリンやphosphodiesterase IV inhibitorにより抑制され、この抑制はcyclic AMPの濃度に依存することが明らかになった。なお、好酸球上へのTNF-α刺激によるCD4発現はdexamethasone,テオフィリン,phosphodiesterase IV inhibitor,oxatomideにより有意に抑制されることが明らかになった。 ヒト好酸球上のインターロイキン9αおよびインターロイキン2γリセプターをflow cytometryによる検討により検出した。現在この-9のαおよびγ鎖であるIL9αおよびIL-2γのmRNAの検出をRT-PCRを用いて検討している。
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