研究課題/領域番号 |
12670458
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
横須賀 收 千葉大学, 医学部, 講師 (90182691)
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研究分担者 |
藤原 慶一 千葉大学, 医学部・附属病院, 医員
今関 文夫 千葉大学, 医学部, 講師 (40223325)
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キーワード | A型肝炎ウイルス / シグナル伝達 / 構造蛋白 / 非構造蛋白 / 急性肝炎 / アポトーシス / 弱毒化ウイルス / 劇症肝炎 |
研究概要 |
A型肝炎ウイルス(HAV)は約7500塩基のRNAウイルスであり、5^´非翻訳領域、構造蛋白領域、非構造蛋白領域、3^´非翻訳領域より構成される。HAVの非構造蛋白の機能的意義については不明の点が多いが、弱毒化ウイルスでは非構造蛋白領域に特定の変異がみられ、ウイルス増殖機構の上で、またホスト細胞の生命維持に重要な影響を与えると考えられる。我々はまず劇症肝炎および急性肝炎由来のHAVの全塩基配列を決定し、その異同の有無について検討した。さらに急性肝炎由来のA型肝炎ウイルスのVP1-2A、VP2、VP3、2A、2BC、2C、3A、3B、3C、3D領域蛋白をflag抗原シグナルと共に発現するベクターを作製した。これらの発現ベクターを各種細胞に導入し、それぞれの蛋白発現がなされていることを抗flag抗体を用いWestern blot法にて確認した。またこれらの発現ベクターを細胞のアポトーシスや分化・増殖にかかわるNF-κB結合配列、Serum responsive element(SRE)結合配列、AP-1結合配列など各種結合配列の下流にルシフェラーゼをもつreporter plasmidとcotransfectionし、これらの各種ウイルス蛋白がアポトーシスや細胞の分化・増殖にかかわるシグナル伝達系にどのような影響を及ぼすかについて検討した。今後、各種変異を導入した蛋白発現ベクターを作製し、またこれら構造蛋白・非構造蛋白を組み合わせて細胞に導入することで、それぞれの蛋白の機能についてさらに解析する予定である。
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