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2001 年度 実績報告書

肝炎ウイルスによるinflammatory cytokine誘導の分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12670462
研究機関東京大学

研究代表者

加藤 直也  東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90313220)

研究分担者 金井 文彦  東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (70334399)
白鳥 康史  東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (70196624)
キーワードB型肝炎ウイルス / C型肝炎ウイルス / デルタ型肝炎ウイルス / 炎症性サイトカイン / アポトーシス / MAPK / Bcl-x_L / 翻訳
研究概要

B型,C型,およびデルタ型肝炎ウイルス(HBV, HCV, HDV)蛋白の宿主肝細胞に及ぼす影響を検討し, HCVコア蛋白が,主にTRAFを介してNF-κBを活性化、IL-1β, IL-8などinflammatory cytokineを誘導すること,また、p53の活性化を介して、p21プロモーターも活性化することを示した.ウイルス肝炎の炎症の機序には,アポトーシスの関与も示唆される.そこでHCV蛋白が肝細胞のアポトーシスをどのように制御しているかを検討した.HCVコア蛋白発現細胞では,caspase3の活性化は抑制されており、その機序として、Bcl-x_Lの発現が増加していることが明らかとなった.HCVコア蛋白がSREすなわちMAPK経路を活性化することを示したが,コア蛋白はMAPK経路を介してBcl-x_Lの発現を増強し、それによりFasによる肝細胞死のシグナルをミトコンドリアにおいて抑制していることが明らかになった.また,HCV NS4AおよびNS4B蛋白が,非特異的に翻訳過程を阻害する可能性が示され,bi-cistronic reporterを用いた実験によりHCVも他のウイルスと同様に宿主の蛋白合成を阻害するtranslational shutoff機構を有していることが明らかとなった.これら蛋白が宿主細胞の翻訳を抑制することにより,HCV持続感染に有利な働きをしている可能性がある.また,HDVラージ抗原は,HBx蛋白と共同して相乗的にSREを活性化することを見出した.その機序として,HDVラージ抗原がSREに結合するSRFを、HBx蛋白がSREに結合するElk-1を活性化するためと考えられた.
ウイルス蛋白は様々な細胞内シグナルに影響し,ひいてはinflammatory cytokine誘導につながり,それが肝炎ウイルス感染における肝炎発症機序の一つであると結論された.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Yoshida H, et al.: "Hepatitis virus core protein activates NF-κB-dependent signaling through TRAF"J Biol Chem. 276. 16399-16405 (2001)

  • [文献書誌] Goto T, et al.: "Large isoform of hepatitis delta antigen activates the rat smooth muscle (sm) 22alpha promoter via enhancement of transcriptional ability of serum response factor"Cells of the Hepatic Sinusoid. 8. 223-224 (2001)

  • [文献書誌] Ono-Nita SK, et al.: "Current options for the theropy of chisue hepatitis B inpection"Clin Infect Dis Rep. 3. 137-142 (2001)

  • [文献書誌] Kato J, et al.: "hepatitis c-virus NS4A and NS4B proteins suppress trouslation in vivo"J Med Vivol. 66. 187-199 (2002)

  • [文献書誌] Otsuka M, et al.: "Hepatitis C-virus core protein inhibits apoptosis via enhanced Bcl-x_L expression"Vivology. (in press). (2002)

  • [文献書誌] Kato N et al.: "Growth proliferation, and apoptosis in hepatocytes"Springer Verlag Tokyo. 100 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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