研究課題/領域番号 |
12670463
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森屋 恭爾 東京大学, 医学部・附属病院分院, 講師 (00272550)
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研究分担者 |
小池 和彦 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (80240703)
藤江 肇 東京大学, 医学部・附属病院, 助手
新谷 良澄 東京大学, 医学部・附属病院, 助手
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キーワード | C型肝炎ウイルス / トランスジェニックマウス / 脂質 |
研究概要 |
ヒトC型肝炎の病理組織像ではbile duct damage,lymphoid pholicles,とともにsteatosis(脂肪化)が特徴となっている。HCVコア遺伝子発現トランスジェニックマウスではこのsteatosis(脂肪化)の出現を生後3ヶ月齢より認めるようになる。またヒト高分化細胞癌では脂肪滴を多く含むことが知られているが、我々の日CVコア遺伝子発現トランスジェニックマウスでも脂肪の多い高分化癌中に脂肪滴の少ない低分化癌が認められることを報告している。このように肝臓の脂肪化はC型肝炎、ならびに肝発癌と重要な関係を持つことが示唆される。今回マウスの肝臓組織を構成する中性脂肪、リン脂質の構成脂肪酸組成をノントランスジェニックマウスの血液ならびに肝臓組織を対象として比較検討し、C16:0(ステアリン酸)の組成率減少とC18:1(オレイン酸、バクセン酸)の組成率の増加を確認した。またこの脂肪酸組成変化については、マウスモデルのみならず検討された手術ヒト肝臓組織でもC型肝炎肝炎ウイルス感染者と非感染者の比較検討から同様の結果が得られた。このようにウイルス蛋白によってC型肝炎患者の肝臓内脂質の量的変化のみならず組成変化という質的変化が引き起こされること、最終的には細胞小器官の膜流動性の変化をもたらし、肝発癌に関連している可能性を示した。
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