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2000 年度 実績報告書

急性膵炎における膵腺房細胞内空胞形成の分子機構の解析-細胞内小胞輸送機構に立脚した膵炎発症・進展機序の検討

研究課題

研究課題/領域番号 12670465
研究機関東京大学

研究代表者

大西 洋英  東京大学, 医学部・附属病院分院, 助手 (00313023)

キーワード急性膵炎 / 空胞 / キネシン / ダイナミン / 小胞輸送
研究概要

本研究は急性膵炎における膵腺房細胞内空胞形成に、いかなる細胞内小胞輸送分子機構が関与しているかを明らかにする目的で行っている。まず、その膵炎発症時に細胞内に形成される空胞は膵腺房酵素顆粒とライソゾームの融合体であることより、正常細胞内での酵素顆粒の輸送機構を検討し、分子モータータンパク質であるキネシンが細胞内で直接酵素顆粒を輸送し、その輸送は細胞内cyclicAMPにより調節されることを遺伝子組み換えキネシン蛋白を使って明らかにし、報告した(Gastroenterology;119:1123-1131,2000)。現在は更に、膵炎を生じた腺房細胞内の空胞形成にこのキネシン蛋白が関与しているか否かを明らかにするために、膵腺房細胞初代培養系を樹立し遺伝子工学的手法を用いて検討中である。
また、初代培養系を使った研究と平行して、Helicobacter pylori菌産生VacA毒素による培養HeLa細胞内の空胞形成を病理学的細胞内空胞形成のモデルシステムとして用い、細胞内小胞輸送にかかわるもう一つのmechanoenzymeであるダイナミンがその細胞内空胞形成に不可欠であることを見い出し、さらにはそのダイナミンの機能を抑制すると細胞内空胞形成が抑制され、なおかつ細胞傷害も軽減されることを見い出し報告した(Journal of Clinical Investigation;16:363-370,2000)。現在は、このダイナミンが膵炎における腺房細胞内空胞形成にも同様に強く関与しているか否かをラット単離膵腺房を用いて検討中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Ueda N,Ohnishi H,Kanamaru C,Suzuki J,Tsuchida T,Mashima H,Yasuda H,Fujita T.: "Kinesin is involved in the regulation of rat pancreatic amylase secretion."Gastroenterology. 119. 1123-1131 (2000)

  • [文献書誌] Suzuki J,Ohnishi H,Shibata H,Wada A,Hirayama T,Iiri T,Ueda N,Kanamaru C,Tsuchida T,Mashima H,Yasuda H,Fujita T.: "Dynamin is involved in the vacuolation induced by Helicobacter pylori vacuolating cytotoxin (VacA) in human epithelial cells."J.Clin.Invest.. 107. 363-370 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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