研究概要 |
Liver stem cell様特性を有する細胞株ETK-1,そのETK-1に対して5-azacytidineにて分化誘導中の細胞,さらに分化が完了した細胞株MEKを用いて,differential gene display法にて,その発現パターンから肝細胞への分化因子として可能性のあるbandをpick upした.全体で59のbandを切り出し,その各々についてdirect sequence法にて遺伝子配列を決定した.その中からprotein phosphatase 2AのB subunitの種であるB56δ,他種のprotein phosphataseのsubunitであるcalcineurin B,さらに新規の遺伝子,以上3遺伝子を構造上分化誘導因子の働きが可能な遺伝子と考え,以後の実験に用いることとした. 今後,これら遺伝子の発現の有無,発現パターンを,分化段階の異なる細胞においてノーザンブロット法などで確認する。さらに,これら遺伝子を発現ベクターに導入し,ETK-1細胞等の未分化細胞にて発現させ,形態,増殖能,遺伝子発現パターン,発現タンパクなどの変化を調べ,これらが分化に関与しているかどうか確認していく予定である.
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