平常ラットにジメチルニトロサミンを連日3日間(各週)腹腔内に4週間投与し、肝硬変モデルを作成した。変異型MCP-1を1mg/kgにて筋肉内(大腿筋)にジメチルニトロサミン投与開始時と開始後2週後に投与した。肝線維化はコンピュター画像解析、組織ハドロキシプロリン、α-smooth muscle actinによる免疫染色にて評価した。変異型MCP-1投与群では、コントロール群に比して各種検査にて有意に線維化を抑制した。また、肝でのコラーゲンmRNAも抑制されていた。抑制メカニズムの解析として、ジメチルニトロサミン投与1週間後の肝組織中の単核球(炎症細胞)の比較を行ったが、治療群では有意に浸潤単核球数が抑制されていた。さらに、4週後の組織中IL12(Th1)、IL10(Th2)を測定したが、コントロール群ではTh2優位であったのに対して、治療群ではTh1優位であった。MCP-1はCCR2レセプターに結合して、細胞内にシグナルを伝達するが、現在、CCR2ノックアウトマウスに対して、同じプロトコールにてジメチルニトロサミンを投与し、正常マウスに比べて、炎症・線維化の変化を検討中である。
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