研究概要 |
AIMはSRCR (scavenger receptor cystein rich domain superfamily)に属する蛋白で、マクロファージ(mφ)より分泌され標的臓器により種々の生理活性を有する。我々は(1)AIMはP.acnes→LPS誘発実験肝炎で肝臓mφ/Kupffer (KC)細胞の貪食能をin vivo, in vitroともに亢進させる働きを有することを示し、また共同実験者の宮崎らは(2)AIMがBリンパ球のgrowth inhibitionに関与していること、(3)C.parivumを用いて肝臓にgranulomaを形成する際AIMはT細胞とNKT細胞のapoptosisを抑制することetc.を明らかにして来た。また、我々は平成13〜14年度に、granulomaを来たす消化器疾患として原発性胆汁性肝硬変症(PBC)に焦点をあて、PBCにおける病変部の胆管周囲に浸潤しているCD68陽性単核球でAIMのmRNAの発現の増強をとらえ、同疾患においてもAIMは病態形成に関与している事をしてきた。平成15年度はgranulomaを来たす消化器疾患のうち炎症性腸疾患(IBD)に焦点をあてAIMの作用の解析を行った。EstablishされたIBDモデルのTCRα^<-/->にAIM^<-/->を掛け合わせてTCRα^<-/->xAIM^<-/->のダブルノックアウトマウスを作製しAIMの有無で炎症の程度を検討した。その結果、TCRα^<-/->xAIM^<-/->マウスではTCRα^<-/->xAIM^<+/->マウスに比べ炎症の程度が高度であった。更に、TCRα^<-/->xAIM^<-/->マウスにのみadenocarcinomaを有する個体がみられ、AIMは炎症を母地とした発癌にも関与する事が示された。
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