研究概要 |
In vitroにおける実験では、ヒト胃腺維芽細胞(CRL-7215)とヒト胃癌細胞(MKN-1)をFCS存在下において、RPMI1640にて培養.培養プレート上にて,IL-βおよびPGE2により刺激.24時間後,培養上清のCOX-2,VEGFの遺伝子および蛋白発現を確認している.さらに選択的COX-2阻害剤(NS-398)により前処置したグループと比較し,炎症のメカニズムに重要なICAM-1や粘膜の恒常性の維持や修復過程に重要なVEGF産生におけるCOX-2の役割を明らかにする. マウスを用いたIn vivoの実験では、マウス(30〜35g)に酸性化エタノール(60%ethanol in 0.15M HCl)0.15mlを経口投与し,経時的(0,8,16,24,32,40および48hr)に胃粘膜内のCOX2蛋白発現を抗COX2抗体により免疫組織学的に観察した.胃粘膜内COX2は酸性化エタノール投与後24hrをピークとして発現すると考えられた。さらにiマウスに酸性化エタノール0.15mlを経口投与し,24hr後95%エタノール0.1mlを経口投与した群(A群)と,同様の処置に加え酸性化エタノール投与後,NS398(30mg/kg)およびindomethacin(10mg/kg)を1および12hr後に腹腔内投与した群(B,C群)に分けた.95%エタノール0.1ml投与後,0,1,3および5hrの胃粘膜障害を,胃内Myeloperoxydase activity(MPO),血中好中球エラスターゼ濃度,肉眼的および病理組織学的手法により比較検討している.
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