研究実績の概要(600字から800字) 1.肝組織のアポトーシスの検討 アルコール(5%)含有液体飼料(アルコール群)あるいはコントロール飼料(コントロール群)でラットを8週間飼育した後、10mg/kgBWあるいは20mg/kgBWのリポポリサッカライド(LPS)を1週間経口投与し、アポトーシスの有無について検討を行なった。アルコール群の20mg-LPS投与群ではラット肝組織に小脂肪滴の脂肪肝が認められたが、肝炎の所見なかった。他のアルコール群では軽度の脂肪変性のみであった。また、single strand DNAを免疫組織化学的に染色し、アポトーシスの有無をみたが、いずれの群においても染色されず、この実験系では明らかなアポトーシスは起こっていないと考えられた。 2.肝組織のATP含有量の検討 肝組織のATP活性量は、アルコール群では39.31±13.51lμg/mlでコントロール群の85.5±35.9μ9/mlに比べ有意に低下していた。一方、LPSの投与によってはATP活性量に大きな影響はなかった。 3.ミトコンドリアDNA(Mt-DNA)のdeletionの検討 Mt-DNAのdeletionの検討はサブユニットである複合体IのND4とND5領域、複合体IVのCO I、COII、COIII領域、複合体VのATPase6と8領域で行った。アルコール群とコントロール群のいずれにおいてもMt-DNAにdeletionは検出されなかった。
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