研究課題/領域番号 |
12670532
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
藤村 宜憲 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30156905)
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研究分担者 |
村中 亜紀 川崎医科大学, 医学部, 助手 (30341085)
武田 昌治 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10227035)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | M細胞 / パイエル板 / アデノイド / 免疫抑制剤 / vimentin / Cup細胞 |
研究概要 |
これまでに我々は哺乳類のパイエル板M細胞の機能形態について一連の研究を行い、M細胞は消化管内の病原体や腸内細菌を取り込み、上皮内リンパ球やマクロファージに伝達することを明らかにし、粘膜免疫での役割を検討してきた。その結果、粘膜免疫初期においてM細胞は"first information conduit"としての重要な役割を担う抗原提示細胞であると言える。しかしながら、M細胞の抗原提示機構や発生/分化機構、免疫寛容におけるM細胞の役割、M細胞のdrug delivary systemを介した粘膜ワクチンについては不詳のことが多い。 本研究では全身粘膜免疫での腸管外M細胞の役割、免疫抑制剤のM細胞の取り込み/輸送に関する研究やM細胞の発生/分化に関する研究を行った。 腸管外リンパ組織のM細胞の分子機能形態の研究では、ヒトのアデノイド組織でのM細胞の存在とHRPの取り込みと輸送について明らかにし、経鼻的粘膜ワクチンの有用性が示唆された。 免疫抑制剤のM細胞の取り込み/輸送に関する研究では、Tacrolimus(FK506)、Cyclosporineは家兎のパイエル板M細胞のmicroparticlesの取り込みや輸送を抑制することを明らかにし、クローン病などの炎症性腸疾患の治療薬として有用であることが示唆された。 また、vimentin intermediate filament protein(以下vimentin)は家兎のM細胞のマーカーとして知られているが、M細胞の発生/分化に関する研究中、vimentinは小腸Cup細胞のマーカーでもあることを偶然発見した。このことはM細胞やCup細胞の発生/分化において腸管上皮幹細胞におけるSignalingの存在が示唆され大変興味深い。将来、Cup細胞の単離も行われ、vimentin陽性細胞としてのCup細胞の機能研究も進められるであろう。
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