研究課題/領域番号 |
12670547
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
木村 弘 千葉大学, 医学部, 助教授 (20195374)
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研究分担者 |
寺井 勝 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (80207472)
中島 伸之 千葉大学, 医学部, 教授 (40241947)
栗山 喬之 千葉大学, 医学部, 教授 (20009723)
滝口 裕一 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (30272321)
岡田 修 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (60177045)
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キーワード | 肺高血圧症 / 肺血栓塞栓症 / ケモカイン / 単球 / 肺血管抵抗 |
研究概要 |
難治性肺高血圧症である、慢性血栓塞栓性肺高血圧症と膠原病性肺高血圧症における肺血管リモデリングの形成に、炎症性機序としてケモカインがいかに関与しうるかを明らかにすることを目指した。そのために、血中ケモカイン、炎症性サイトカインと肺循環動態の関連を画像所見を含めて解析した。慢性安定期での右心カテーテル検査にて、前毛細血管性肺高血圧を呈する難治性肺高血圧症症例を対象とし、血中MCP-1、MIP-1α、IL-1β、TNFα、VEGF等を測定し、臨床経過、右心カテーテル所見、肺血管造影、および造影スパイラルCTの画像所見とそれら各種ケモカイン、増殖因子、血管作動物質の関連を解析した。慢性血栓塞栓性肺高血圧の症例では、葉枝より中枢側に血栓が存在する中枢型と、区域枝以遠に血栓が存在する末梢型とに分類した。IL-1βは慢性血栓塞栓性肺高血圧症で、IL-6は膠原病性肺高血圧症で高値例を認めた。また、MCP-1は疾患に関わりなく高値例を認めたが、とりわけ慢性血栓塞栓性肺高血圧症においては、MCP-1レベルは肺血管抵抗と有意な相関を示した。この相関は、中枢型において特に良好であった。慢性血栓塞栓性肺高血圧症ではMCP-1は肺高血圧のリモデリングの程度を反映することが推測されたが、この機序として、(1)炎症性因子(単球・Mφの活性化)が関与する可能性、(2)shear stressがMCP-1の産生を促し、肺内Mφの遊走・活性化を亢進させ、これが炎症性因子を含めた病態を増強している可能性が推測された。
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