研究課題/領域番号 |
12670550
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
松瀬 健 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 教授 (90199795)
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研究分担者 |
増田 道明 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80199702)
宮下 明 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 講師 (40239398)
白井 輝 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 助教授 (40244488)
寺本 信嗣 国際医療福祉大学, 保健学部, 助教授 (50282629)
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キーワード | 慢性閉塞性肺疾患 / xenobiotic enzyme / GSTP1 / アポトーシス |
研究概要 |
肺由来細胞の生存能における喫煙障害の直接的影響に関して、ヒト肺線維芽細胞由来のHFL-1細胞を用いて、各濃度のcigarette smoke extract(CSE)下における生存能、特にapoptosis,necrosisの関与についてphygoerythrine(PE)結合のannexin Vおよび7-amino-actinomycin Dをマーカーとして、fluorescence channelを用いて検討した。私達のassociation studyによりCOPDの病態と関連があると考えられた解毒酵素の一つであるGSTP1については、HFL-1細胞におけるGSTP1の発現量の調節を試みた。enhanced green fluorescent protein(EGFP)の配列が導入されたvectorにGSTP1を導入し、その発現量を、同時に発現するEGFPの蛍光強度で評価し、sense及びantisense expression vectorについてHFL-1へのtransient transfectionを試みた。CSEは10-25%の低濃度においては優位にapoptosisを、また50-100%の高濃度においてはnecrosisを引き起こした。10-25%CSEにおいては時間依存性にnecrosisの細胞の割合が増加することが明かとなった。また、GSTP1のsense及びantisense vectorについて、GSTP1の発現量が亢進及び抑制していることについての確認を、各transfectantについて、抗GSTP1抗体を用いてimmunofluorescent flow cytometryの方法を用い、細胞内GSTP1濃度を蛍光強度にて間接的に分析する方法を考案した。その結果、GSTP1の発現量がsense及びantisense vectorのtransfectantにおいて、それぞれ優位に増加及び減少していることが確認された。これに引き続き、CSEによる細胞障害に対するGSTP1の防御能に関して検討を行い、25%CSEを用いた検討では、HFL-1のnecrosisはGSTP-1の高発現により減少し、逆にantisense vectorのtransfectionにより増加することを示した。以上より、気道細胞においてGSTF1は喫煙に対する防御効果を有していることが示された。
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