研究分担者 |
出崎 真志 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30251250)
岡崎 仁 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80261973)
高見 和孝 東京大学, 医学部・附属病院, 助手
河崎 伸 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80334407)
|
研究概要 |
アレルギー性気道炎症の病態形成には、気道上皮細胞由来のケモカインが大きな役割を果たしている。しかし、気道上皮においての分別的あるいは選択的なケモカイン発現制御機構についてはほとんど不明であった。初年度は、代表的なTh2タイプのサイトカインであるIL-4,IL-13によるエオタキシンの選択的産生、発現増強と、NFkBの活性化を抑制する一方、STAT6の活性化(リン酸化)を誘導することを明らかにした。今年度は、外因性のサイトカイン誘導因子として、ディーゼルエンジン由来微粒子(diesel exhaust particles, DEP)に着目し、その濃度依存的なエオタキシンの産生の増強作用、NFkBの活性化は起こすがSTAT6のリン酸化は認めないことを示した。気道疾患患者から得た気道上皮細胞での検討を行った。半定量的なRT-PCR法を用いて、エオタキシン、TARC及び気道線維化に重要とされるトランスフォーミング成長因子(transfoming growth factor-beta1, TGFbeta1)の遺伝子発現状況を検討した。その結果、エオタキシンの遺伝子発現は正常者や慢性気管支炎・肺気腫患者に比較して有意に高かった。TARCについては検出例が少数にとどまり統計的な解析はできなかった。 また、TGFbeta-1については、発症からの年数が長いほど発現が強い傾向がみられた。また、培養細胞のエオタキシン,TARC, IL-8産生能に対するTh2サイトカインの影響を調べた。サンプル数が少ないが(健常群3例、喘息群2例)、IL-13 10ng/mlの刺激により産生されるエオタキシンの量は有意に喘息由来末梢気道上皮細胞で多かった。
|