研究課題/領域番号 |
12670557
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長井 苑子 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30217955)
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研究分担者 |
新実 彰男 京都大学, 医学研究科, 助手 (30252513)
北市 正則 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00161464)
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キーワード | 気道および肺胞領域 / 免疫反応・炎症反応 / Th1リンパ球 / Th2リンパ球 / Th3リンパ球 / TGFβ |
研究概要 |
気道および肺胞領域における免疫反応炎症反応の中でも原因抗原などが想定できる場合は少なく、多くは原因不明のまま一次および二次反応による炎症の増幅をステロイド剤で抑制しようとするのが治療の現状である。しかし、慢性経過の疾患では、薬剤による炎症の遷延化の可能性する示唆されている。この検討においては、原因抗原の検索とは別に、いわゆる慢性化、難治化する呼吸器疾患(間質性肺炎、サルコイドーシスの一部、膠原病肺、難治性喘息)を対象に、Tリンパ球の病態発生における制御的役割が、肺においてはどの程度に存在しているのかを検討している。概念的には、免疫反応炎症反応は肺局所環境におけるTh1,Th2リンパ球の関与と均衡の乱れにおいて発症進展してくることが示唆されている。さらに、Th3(TGFβ産生リンパ球でTGFβが抗原特異的免疫反応を主に、一部には抗原非特異的免疫反応すらも抑制し、免疫寛容をになうとされる)の存在、分布、機能について肺および気道での検討を行ない、実際の疾患症例における臨床経過との関連を検討評価している。 特発性間質性肺炎とくに、慢性経過で予後不良の特発性肺線維症症例に気管支肺胞洗滌液中および外科的肺生検由来肺線維芽細胞のTGFβ産生量の増加を認めた。組織標本を用いた検討を行っているところである。気管支肺胞洗滌液Tリンパ球のTGFβ産生量の増減についての検索の系を開発中であるが、現在のところ動物実験で報告されているようなTh3細胞による免疫反応抑制の機序については明らかにされてはいない。
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