2001 年度実績報告書

慢性閉塞性肺疾患における気流制限の新しい評価-安静換気時のNegative Expiratory Pressure(NEP)法を用いた評価

研究課題

研究課題/領域番号	12670574
研究機関	順天堂大学
研究代表者	家永浩樹順天堂大学, 医学部, 講師 (30212723)
研究分担者	植木純順天堂大学, 医学部, 講師 (50203427)
キーワード	慢性閉塞性肺疾患 / COPD / NEP / 呼吸リハビリテーション / 気管支喘息 / 仰臥位 / 気流制限 / 一秒量
研究概要	1.慢性閉塞性肺疾患(COPD)の気流制限に対する呼吸リハビリテーションの効果の解析:従来の肺機能検査にNEP[Negative Expiratory Pressure]法による評価を加えた包括的呼吸リハビリテーションプログラムを昨年立ち上げ、中等症〜重症のCOPD17例(69±5歳、FEV1.0 1.02±0.36L)を集積した。プログラムにより呼吸困難感、運動能力、QOLが改善した。呼吸生理学的解析では、従来法による気流制限の評価ではFEV1.0 : 1.02±0.36から1.00±0.36Lと改善を認めなかったが、NEP法により安静換気時の気流制限が有意に改善していることが初めて明らかにされた。(気流制限のScore : 2.2±1.6から1.1±1.5に減少、ISV(Isoflow volume [気流制限のため安静換気に重なるNEPループの範囲]):座位:20.5±28.4から11.6±21.7%に減少、(2/6例でISV消失)、ISV仰臥位:48.5±34.5から23.1±30.0%に減少、(6/12例でISV消失))。N2洗い出し法(標準法)による肺気量分画も前後で変化しなかったが、今回評価に加えたbody plethysmography法により、TGV、RV/TLCの有意な減少の知見が得られた。夜間低酸素血症を認めた1例で、NEP法による仰臥位での気流制限の改善とともに夜間の低酸素血症が軽快する新しい知見を得た。また、呼吸リハビリテーションとステロイドを含む薬物療法を最大限に行う入院プログラムを重症のCOPD9例(68±5歳、FEV1.0 0.78±0.19L)で施行、薬物療法の効果もありFEV1.0は0.99±0.26Lへと約200mL改善、NEP法による気流制限のScoreは2.8±1.6から1.3±1.8に減少(p<0.01)した。 2.気管支喘息急性増悪における検討:昨年に加え急性発作を来した気管支喘息19例を集積した。座位に比して仰臥位で呼吸困難感が増強、NEP法により仰臥位で気流制限が増強している知見が明らかになった。また、座位での呼吸困難感とNEP法による50%VT ratio(50%一回換気量位におけるNEPと安静換気ループの比)に有意な相関関係を認め、気流制限が気管支喘息の呼吸困難感に大きく関与する新しい知見が得られた。一方、仰臥位でISVを認める症例では、2週間以内に再発作を来す可能性が50%以上となることが明らかになった。

研究成果

(13件)

すべてその他

すべて文献書誌 (13件)

[文献書誌] 植木純: "慢性閉塞性肺疾患診療におけるQOLの評価"臨床成人病. 31. 73-77 (2001)
[文献書誌] 植木純: "COPDの包括的呼吸リハビリテーション"呼と循. 49. 249-256 (2001)
[文献書誌] De Bruin PF: "Inspiratory reserve volume in boys with Duchenne muscular dystrophy"Pediatr Pulmonol. 31. 451-457 (2001)
[文献書誌] 植木純: "COPD患者の安定期治療"今月の治療. 9. 31-37 (2001)
[文献書誌] 植木純: "COPDの定義と分類"アレルギー科. 12. 221-225 (2001)
[文献書誌] 植木純: "呼吸リハビリテーション"臨床医. 27. 72-75 (2001)
[文献書誌] 植木純: "薬物療法の実際"Pharma Medica. 19. 33-38 (2001)
[文献書誌] 植木純: "包括的呼吸リハビリテーションプログラム"呼吸. 20. 100-106 (2001)
[文献書誌] 山口聖子: "包括的呼吸リハビリテーション-プログラムコーディネータの役割"日呼管誌. 10. 226-230 (2001)
[文献書誌] 植木純: "COPD"Home care Today. 6. 3-6 (2002)
[文献書誌] 塩田智美: "慢性閉塞性肺疾患"Geriat Med. 40. 189-195 (2002)
[文献書誌] 植木純: "慢性閉塞性肺疾患(COPD)"医学検査. 51(in press). (2002)
[文献書誌] 植木純: "メディカルレビュー社"新QOL調査書と評価の手引き. 347-352 (2001)

2001 年度 実績報告書

慢性閉塞性肺疾患における気流制限の新しい評価-安静換気時のNegative Expiratory Pressure(NEP)法を用いた評価

研究代表者

家永 浩樹 順天堂大学, 医学部, 講師 (30212723)

研究成果

[文献書誌] 植木 純: "慢性閉塞性肺疾患診療におけるQOLの評価"臨床成人病. 31. 73-77 (2001)

[文献書誌] 植木 純: "COPDの包括的呼吸リハビリテーション"呼と循. 49. 249-256 (2001)

[文献書誌] De Bruin PF: "Inspiratory reserve volume in boys with Duchenne muscular dystrophy"Pediatr Pulmonol. 31. 451-457 (2001)

[文献書誌] 植木 純: "COPD患者の安定期治療"今月の治療. 9. 31-37 (2001)

[文献書誌] 植木 純: "COPDの定義と分類"アレルギー科. 12. 221-225 (2001)

[文献書誌] 植木 純: "呼吸リハビリテーション"臨床医. 27. 72-75 (2001)

[文献書誌] 植木 純: "薬物療法の実際"Pharma Medica. 19. 33-38 (2001)

[文献書誌] 植木 純: "包括的呼吸リハビリテーションプログラム"呼吸. 20. 100-106 (2001)

[文献書誌] 山口聖子: "包括的呼吸リハビリテーション-プログラムコーディネータの役割"日呼管誌. 10. 226-230 (2001)

[文献書誌] 植木 純: "COPD"Home care Today. 6. 3-6 (2002)

[文献書誌] 塩田智美: "慢性閉塞性肺疾患"Geriat Med. 40. 189-195 (2002)

[文献書誌] 植木 純: "慢性閉塞性肺疾患(COPD)"医学検査. 51(in press). (2002)

[文献書誌] 植木 純: "メディカルレビュー社"新QOL調査書と評価の手引き. 347-352 (2001)

2001 年度実績報告書

家永浩樹順天堂大学, 医学部, 講師 (30212723)

[文献書誌] 植木純: "慢性閉塞性肺疾患診療におけるQOLの評価"臨床成人病. 31. 73-77 (2001)

[文献書誌] 植木純: "COPDの包括的呼吸リハビリテーション"呼と循. 49. 249-256 (2001)

[文献書誌] 植木純: "COPD患者の安定期治療"今月の治療. 9. 31-37 (2001)

[文献書誌] 植木純: "COPDの定義と分類"アレルギー科. 12. 221-225 (2001)

[文献書誌] 植木純: "呼吸リハビリテーション"臨床医. 27. 72-75 (2001)

[文献書誌] 植木純: "薬物療法の実際"Pharma Medica. 19. 33-38 (2001)

[文献書誌] 植木純: "包括的呼吸リハビリテーションプログラム"呼吸. 20. 100-106 (2001)

[文献書誌] 植木純: "COPD"Home care Today. 6. 3-6 (2002)

[文献書誌] 植木純: "慢性閉塞性肺疾患(COPD)"医学検査. 51(in press). (2002)

[文献書誌] 植木純: "メディカルレビュー社"新QOL調査書と評価の手引き. 347-352 (2001)