研究概要 |
1.肺胞マクロファージにおける誘導型一酸化窒素合成酵素遺伝子の発現:ラットの気管支肺胞洗浄液より肺胞マクロファージを分離し,免疫複合体(IgG-ICx)を添加し24時間培養した.その結果,誘導型一酸化窒素合成酵素遺伝子の発現が誘導され,その効果はクラリスロマイシン,ロキシスロマイシンの存在下で濃度依存的に抑制された. 2.肺胞マクロファージからのサイトカイン遊離の解析:上記の実験系で,IgG-ICx(0.1-30μg/ml)を添加した後培養細胞上清を経時的に採取し,IL-1βとTNF-αの濃度をELISAにて測定したところ,これらのサイトカインの産生遊離は濃度依存的に増加した.クラリスロマイシン,ロキシスロマイシンは上記の効果を有意に抑制した. 3.肺胞マクロファージによる一酸化窒素の産生:上記サイトカインの存在下で培養した肺胞マクロファージの上清中の一酸化窒素の濃度は,IgG-ICxの添加により増加したが,その効果は上記のマクロライドの存在下で著明に抑制された.さらに,NO選択電流の発生はアミノグアニジンの添加により消失したことより,一酸化窒素構成酵素のサブタイプは誘導型であることが確認された.
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