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2001 年度 実績報告書

肺気腫におけるアポトーシスの研究

研究課題

研究課題/領域番号 12670580
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

青柴 和徹  東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60231776)

キーワード肺気腫 / 慢性閉塞性肺疾患 / アポトーシス / カスパーゼ / 細胞死
研究概要

高齢者人口の増加に伴い肺気腫の罹患率や死亡率が増加しつつあるが、その発症機序は未だ解明されていない。本研究では「肺気腫の発症機序にアポトーシスが関与しているのではないか」という仮説を検証するために実験的に肺気腫動物モデルを作成した。すなわちC57BL/6マウスの気管内に1)PBS、2)active caspase-3(CAS)、3)Chariot(CHA:細胞内蛋白質導入剤)、4)CAS+CHA、5)CAS+CHA+DEVD(CAS阻害剤)、または6)nodularin(セリン・スレオニンリン酸化酵素阻害剤)を注入した。その結果、CAS+CHAを注入した2時間後には肺胞壁にアポトーシスが生じ、肺胞壁の破壊と気腫化がもたらされた。二重免疫染色の結果からアポトーシスを生じた細胞はほとんどが肺胞および気道の上皮細胞と考えられた。このような気腫化はCAS阻害剤であるDEVDの同時注入により抑制された。経時的に観察すると肺の気腫化はCAS+CHAの注入15日後まで継続してみられたが、線維化や肺内への炎症細胞の浸潤はほとんど観察されなかった。一方、CAS+CHAを注入されたマウスではBAL液中に酸性領域で活性化されるエラスターゼ活性が上昇していた。さらにラットの肺から分離培養したII型肺胞上皮細胞にアポトーシスを誘導すると酸性領域においてエラスチン分解活性がみられた。したがってアポトーシスによる肺の気腫化にはなんらかのエラスターゼの活性化が関与していると考えられた。以上の結果から肺胞壁のアポトーシスは肺気腫をもたらす直接的な原因になることが示された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Aoshiba, Kazutetsu: "Acute cigarette smoke erposure induces apoptosis of alveolar macrophages"Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol. 281. L1392-L1401 (2001)

  • [文献書誌] Aoshiba, Kazutetsu: "Serine proteases increase oxidatine stress in lung cells"Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol. 281. L556-L564 (2001)

  • [文献書誌] Aoshiba, Kazutetsu: "The Fas-Fas ligand system is not required for bleomycin-induced pulmonovy Fibrosis in mice"Am J Respir Crit Care Med. 162. 695-700 (2000)

  • [文献書誌] Takahashi, Atsushi: "Apoptosis of wound Fibroblasts induced by oxidatine stress"Exp Lung Res. (in press).

  • [文献書誌] 青柴和徹: "肺気腫形成にアポトーシスは関与するか(ニューモデル)"分子呼吸器病. 6. 36-37 (2001)

  • [文献書誌] 青柴和徹: "COPDの病理・病態における新知見"治療学. 35. 1171-1174 (2001)

  • [文献書誌] 青柴和徹: "臓器別アポトーシス証明法(大槻勝紀, 小路武彦 渡辺慶一)編"南江堂. 155-160 (2000)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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