研究課題/領域番号 |
12670582
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
福田 悠 日本医科大学, 医学部, 教授 (60097037)
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研究分担者 |
石崎 正通 日本医科大学, 医学部, 助教授 (40096954)
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キーワード | MMP-2 / KOマウス / ブレオマイシン / 肺胞上皮細胞 / 上皮細胞移動 / 肺胞腔内線維化 / 非特異的間質性肺炎 / 器質化肺炎 |
研究概要 |
【目的】間質性肺炎(IP)では、壁在型、ポリープ型の腔内線維化が出現し、その差が通常型IP、非特異的IP(NSIP)、器質化肺炎(BOOP)などのIPの種類を決めており、それには肺胞上皮再生が関与するとされている。肺胞上皮再生にはマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)-2が重要であることが指摘されている。そこで、MMP-2ノックアウトマウス(KO)と野生型(WT)にブレオマイシン肺線維症を作成し、両者を対比し、MMP-2の役割、IPとの関連を明らかにする。【方法】KOとWTに気道よりブレオマイシンを投与し、光顕、電顕にて観察した。光顕的に線維化の程度を定量した。肺組織のhydroxyproline定量、gelatin zymographyによる活性化、Western blottingによるMMP-2の定量を行った。【成績】コントロールでは、両者ともに正常肺が観察された。ブレオマイシン投与にて、線維化の程度は両者に差が無く認められた。Gelatin zymographyにおいて、WTでは1週から3週にMMP-2の明らかな増加、活性化がみられ、免疫組織化学では、再生肺胞上皮細胞にMMP-2陽性であった。KOでは、線維化巣を被覆する肺胞上皮細胞の減少、細胞質の膨化が観察され、代わりにマクロファージが線維化巣を被覆していた。後期に、WTでは壁在型の他にポリープ型腔内線維化がみられたが、KOでは、線維化巣の治癒の遅延、壁在型主体の腔内線維化であった。肺胞上皮細胞の増生は、PCNAにて両者に同様で、肺胞領域への気道上皮細胞の再生移動像は、両者に差が無く認められた。【考察・結論】肺胞上皮の移動による線維化巣の被覆にMMP-2が必須であることが明らかになった。KOにおける線維化は、NSIP様であった。WTでは、BOOP様の所見が混在していた。肺胞上皮再生移動、線維化巣の被覆の差が、異なる型のIP形成に関与することが明らかにされた。
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