研究概要 |
PQBP-1はWW domain, polar amino acid rich domain(PRD), C-terminal domein(CTD)の3つの蛋白結合ドメインを持つ。各々の結合蛋白を同定することはPQBP-1の生理機能を類推するために不可欠のことである。今年度は、はじめにCTDに結合する蛋白をyeast two hybrid systemを用いてスクリーニングした。pEGベクターにCTDのみをサブクローニングしたものをベイトとして、約50万個のクローンをスクリーニングした。この結果最終的に得られた5個の陽性クローンのうち実に4っが同一の遺伝子をコードしており、それがpre-mRNAのスプライシングに関与するU5-15kDであることが明らかになった。U5-15kDはエクソン間の結合を媒介するu5の一つのコンポーネントである。私たちは先にPQBP-1のPRDにはポリグルタミンが結合しうることを示しており、ポリグルタミンがPQBP-1/U5-15kDを介してRNA代謝に影響を与える可能性も出てきた。 一方、本研究の主眼であるPQBP-1トランスジェニックマウスも作成した。pCAGGSにPQBP-1遺伝子全長をいれたものをマウス受精卵に注入し、100個の卵をマウス子宮にもどして、3系統のトランスジェニックマウスを得た。内、PCR上で導入コピー数の多い1系統を中心に、現在、行動科学的解析ならびに病理学的解析を行っているところである。
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