研究課題/領域番号 |
12670601
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
道勇 学 名古屋大学, 医学部, 講師 (90293703)
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研究分担者 |
祖父江 元 名古屋大学, 医学部, 教授 (20148315)
犬飼 晃 名古屋大学, 医学部, 助手 (30314016)
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キーワード | CAGリピート病 / ポリグルタミン鎖 / 神経細胞死 / 球脊髄性筋萎縮症 / アンドロゲン受容体 / DNA chip / ポリグルタミン凝集体 |
研究概要 |
CAGリピート病は、原因遺伝子のcoding regionにあるCAGリピートの異常延長が引き起こされる遺伝性神経変性疾患である。この異常CAGリピートが翻訳されてできる異常延長したポリグルタミン鎖による細胞毒性の発現が基本病態であると考えられるが、その分子メカニズムの詳細については明らかでない。我々はこれまで代表的CAGリピート病である球脊髄性筋萎縮症(SBMA)を中心にその病態発現機構について研究してきており、今研究は異常延長ポリグルタミン鎖を発現させた培養神経系細胞モデルを構築し、神経細胞死に関わる分子群の遺伝子発現解析をDNA chipを用いて行うものである。今年度はIn vitro ligation法により24および97 CAGリピートをもつ短縮型アンドロゲン受容体(tAR24、tAR97)のアデノウイルスベクターを作成し、ヒトneuroblastoma cell line(SH-SY5Y)に各々感染後、経時的にそれらの細胞を形態学的に観察するとともにポリグルタミン鎖による凝集体形成動態を観察した。その結果、tAR97感染細胞はtAR24に比較して明らかに感染後経時的に細胞死および凝集体形成の増加を認めた。この観察結果はCAGリピート病であるSBMAにおける神経細胞死の病態を反映しており、このことから本細胞系がCAGリピート病における神経細胞死メカニズムを解明するための有用な実験系になり得ると考えられた。さらに感染後経時的に培養細胞からmRNAを抽出後、マウス完全長cDNAおよびEST計約6,500種のcDNAアレイを貼付したDNA chipを用いて発現遺伝子群を検出しており、現在それらの経時的発現変化についてデータの解析を行っている。
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