平成12年度は、高性能な視覚刺激作製装置を用いて心理物理学的にも至適条件と考えられる理想的な視覚刺激の作製を行った。即ち、視覚刺激作製装置VSG THREE(Cambridge Research System)を用いて、(1)P系とM系の感受性特性を調べる刺激として、ambiguous motion squaresをモデルとした視覚刺激、(2)M系の刺激としてランダム・ドットをモデルとした視覚刺激、(3)顔や物体・文字といったカテゴリーの大きく異なるものに対する反応の違いを評価する視覚刺激、を作成した。また画像診断法として機能的MRI(fMRI)の環境整備を行った。即ち、(1)視覚刺激を与えながらfMRIを行うため、高磁場下でも視覚刺激呈示を行えるようなスクリーン、ミラー、液晶プロジェクター、刺激呈示用コンピューターおよびこれらの器機の接続配線の設営・調整、(2)fMRIのモーションアーチファクトを防ぐためのバイトブロックの設置、(3)fMRIのデーター解析のためのワークステーション、解析ソフト(SPM99等)の入手・調整を行った。試みに健常者を対象として運動課題・視覚刺激課題の際にfMRIの施行・解析を行い、過去の報告と同様の結果を得た。 平成13年度は健常成人を対象として、作成した刺激課題中にfMRI・PET・脳磁図など画像診断法を行い、活性化される大脳領域を検討する予定である。
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