研究課題/領域番号 |
12670613
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
森豊 隆志 鹿児島大学, 医学部, 講師 (90305110)
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研究分担者 |
反町 勝 鹿児島大学, 医学部, 教授 (70036440)
納 光弘 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10041435)
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キーワード | HTLV-I / HAM / 脳脊髄液細胞 / in situ hybridization法 / 免疫組織学的方法 / レーザスキャニングサイトメータ |
研究概要 |
1.HTLV-Iプロウイルスと転写産物の同時かつ定量的検出法の基本的測定方法の確立のため、以下を実施した。 (1)HTLV-IプロウイルスDNA、mRNA、蛋白の蛍光による検出系の確立。我々が、開発したHTLV-I mRNAと抗原の高感度検出法に加え、昨年度は新たに開発した高感度のプローブを用いたFISH法によりHTLV-IプロウイルスDNAをsingle copyレベルで可視化することに成功した。今年度はこの方法を用いて患者サンプルから作成した染色体標本および間期核細胞標本を用いて具体的にHTLV-IプロウイルスDNAの検出を実施した。 (2)(1)の蛍光物質のレーザスキャニングサイトメータ(LSC)での定量条件の検討。昨年度DNA、mRNA、蛋白の各々一細胞当たりの蛍光量を測定し、相対的な蛍光強度の比較を行ったが、LSCの検出感度が十分でなく、その感度を上昇させる工夫が必要であることが判明した。今年度はLSCの製造メーカーと協力して本体の電気回路基盤の改良を行った。 (3)HTLV-IプロウイルスDNAとウイルスmRNAまたは蛋白の同時検出のための条件の検討。昨年度同時検出の際に至適となる共有できる条件の検討を行い、最適な固定方法を新たに見出したので、今年度は患者サンプルで実施した。 (4)LSCでの蛍光2色同時検出のための条件の検討。昨年度蛍光2色検出において互いの蛍光の輝度および波長のバランスを検討し、LSCの現状で持つ機能では不十分ではあるものの2色のデータを融合する機能を用いる事が有用であることが判明した。今年度はLSCの製造メーカーとその機能向上のための改良の検討を行った。 2.HAM患者の脳脊髄液細胞中のHTLV-Iプロウイルスと転写産物の関係の解析のために用いる多数の患者の脳脊髄液細胞サンプルの収集、ストックを開始し、実現可能となった技術についてはその検討を行った。
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