研究概要 |
相模原地区の常染色体優性遺伝様式をとる家族性パーキンソニズムの原因遺伝子同定を目指して研究を進めてきている.現在までにα-Synuclein,Parkin,Tau,UCH-L1について相模原家系では報告されている変異がないこと,およびこれら4遺伝子との連鎖の可能性について検討し,自験パーキンソニズム家系はこれらとは連鎖しないと推測された.現在,全常染色体について各染色体を約10cM間隔でカバーする382種のマイクロサテライトマーカーによりポジショナルクローニングを開始した.相模原家系患者12人,非/未発症者11人および配偶者3人の計26人の家系メンバーについて,microsatellite markerをそれぞれPCR増幅し,allele typingを行った.また,各marker alleleの健常群遺伝子頻度を非血縁健常者48人をtypingすることで求め,これらのmarker alleleをもとに2点連鎖解析programのMLINKによってLod scoreの計算を行った.その結果,3カ所で高いLod scoreを示す領域が検出された.さらに候補領域を絞り込むため,この3カ所の遺伝子領域を約1cM間隔でカバーするmicrosatellite markerを選出し同様の解析を行った.その結果,1領域でより高いLod scoreを得た.さらに,この3カ所の遺伝子領域において患者共通のhaplotypeが存在するか否かを調べるために,3カ所の候補遺伝子領域においてhaplotypeの構築をおこなうとともに,多点連鎖解析programのLINKMAPによって3カ所の候補領域を解析中である.
|