研究課題/領域番号 |
12670622
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
水谷 智彦 日本大学, 医学部, 教授 (00166018)
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研究分担者 |
望月 葉子 日本大学, 医学部, 助手 (80267054)
山田 勉 日本大学, 医学部, 講師 (40182539)
垣見 重雄 日本大学, 医学部, 助手 (40060165)
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キーワード | 上衣細胞 / ユビキチン / 封入体 / tanycyte |
研究概要 |
神経変性疾患の成人脳を検索中に、我々が延髄下部・脊髄の中心菅上衣細胞に偶然認めたユビキチン陽性封入体(Ub-I)は、Dicksonら(1990)が幼児脳にて半行記載しているにすぎず、Ub-Iの分布・意義は不明であることが分かった。このため、今回、多数例の神経疾患を中心にUb-Iを検索した。 1)対象と方法:対象は、25種類,46例の神経疾患患者の脳である。各症例の側脳室・第3脳室・中脳水道・第4脳室・延髄下部・脊髄から4μmのパラフィン包埋連続切片を作成し、各切片に対してHE染色とポリクロナール抗ユビキチン抗体(Sigma)を用いた免疫染色(ABC法)を行った。 2)結果:46例の神経疾患症例中、上衣細胞にUb-Iを認めた症例は36例であった。側脳室には1例、第3脳室には2例、中脳水道には8例、第4脳室には2例、延髄下部・脊髄の中心管には33例でUb-Iを認めた。また、上衣下にある残存上衣細胞にもUb-Iがみられ、これは中脳水道周囲に13例、第4脳室周囲に18例、延髄下部・脊髄の中心管周囲に25例、それぞれ認められた。 3)考察と結論:今回の検索の結果、Ub-Iは種々の神経疾患でみられたことから、疾患特異性には乏しかった。また、Ub-Iは側脳室・第3脳室・中脳水道・第4脳室ではあまり認められず、延髄下部・脊髄の中心管にはしばしば認められた。この封入体の意義は不明であるが、分布に関する今回の検討の結果、中心管の上衣細胞に主にみられたこと、また、残存上衣細胞にもよくみられたことから、上衣細胞に起きた何らかの変性に関して生じた可能性があるのではないかと推測した。 今後、Ub-Iの電顕的検索、種々の染色法によるUb-Iの染色を行い、Ub-Iの性状をさらに明らかにする予定である。
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