研究概要 |
今回、同一生体脳におけるCMRgluおよびCMRO2の測定の一環として、[1-13C]glucose投与によるCMRglu測定法につき検討を行った。 [方法] 実験に用いたのは体重250から300gの雄SD rat5匹で、0.5-1%ハロセン麻酔下に体温を37±0.5℃に保ちつつ、13C-MRSを経時的に測定、測定中に[1-13C]glucoseを1g/kg bolus shotし、glucose、[4-13C]glutamate(glu4)、[3-13C]glutamate(glu3)のピークの経時的変化を投与後120分にわたり測定した。測定後ラット脳はin situ freezingし、PCAによる抽出を行った上で、組織内の各代謝物の量、13C標識率を測定、そこから13C化合物の脳内の濃度を測定した。 測定された値はMasonらによる3compartment model 1)を元にpublic domain software WINSAAMを用いてコンパーメント解析を行い。ラットハロセン麻酔時のCMRgluを算出した。 [結果および考察] 算出された値の平均は0.31±0.08μmol/min/gであり、Sibsonらの2)morphineにて鎮静させたラット(0.50±0.12μmol/min/g)とα-choraloseにて麻酔させたラット(0.26±0.04μmol/min/g)の中間であった。今回、前者より低い値が得られたのは浅麻酔とはいえその影響が否定できないことを示していると考えられた。しかし、この方法と今後プロトコルの確立を目指しているdouble tracer NMRを用いたCMRO2測定法によりCMRglu、CMRO2同時測定の可能性が開けたと考えられる。 [参考文献] 1.Mason GF et al.J cereb blood flow metab.15:12-25,1995 2.Sibson NR et al.PNAS.95:316-321,1998
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