今回、同一生体脳におけるCMRgluおよびCMRO2の測定の一環として、17O投与ないしはT2^*、T2同時測定によるCMRO2測定法の基礎的検討、およびこの際に必要となるCBV測定法につき検討を行った。 実験に用いたのは体重250から300gの雄SDrat5匹で、0.5-1%ハロセン麻酔下に体温を37±0.5℃に保ちつつ測定をおこなった。 1.17Oを用いた測定法の開発:H2{17}Oをラットに投与。測定法による感度を比較する為に1)MRSによる17O直接測定、2)T2の変化率の測定、3)off resonance T1ρのdispartion の3法の比較を行った。現時点の結論としては、測定感度が低いため、空間解像度は低くなるものの1)の再現性が最もすぐれていた。しかし、感覚野の変化を局所的に拾うためにはまだ、感度が低い為、現在1H-decouplingの併用を試みている。 2.17OによるCMRO2測定の空間分解能の低さを補う為、T2^*およびT2よりOEFを測定する方法論を合わせて検討中である。この場合、空間分解能は比較的高く設定できるが、局所の磁場の不均一に対する影響が強いのが問題点であり、Adiabatic Pulseを用いた方法を試みている。 3.1.および2.で得られたパラメーターより実際のCMRO2を測定する為にはCBVの測定が不可欠である。今回我々はFerrite化合物を造影剤として用い、ラットのCBVを測定する手法を開発。中大脳閉塞ラットに応用した。この研究は現在in pressとなっている。 文献1)Yablonski DA et al. Magn Res Med.1994;32:749-763
|