研究課題/領域番号 |
12670637
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
神山 邦子 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所・神経病理研究部門, 主事研究員 (80301795)
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研究分担者 |
田沼 直之 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所・神経病理研究部門, 研究員 (00281676)
松原 四郎 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所・神経病理研究部門, 研究員 (00143884)
松本 陽 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所・神経病理研究部門, 参事研究員 (90173921)
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キーワード | 自己免疫性筋炎 / 筋炎惹起抗原 / T細胞レセプター / C蛋白 |
研究概要 |
多発性筋炎の動物モデルである実験的自己免疫性筋炎を用いて以下の研究を行った。まず部分精製骨格筋ミオシンを出発材料として、DEAE、hydroxyapatiteクロマトグラフィー等により、精製ミオシン、C蛋白を分離・精製した。これらの抗原をLewisラットに免疫して筋炎惹起性を検定した。その結果、C蛋白に強い筋炎惹起性が認められたが、精製ミオシンの免疫では軽度の筋炎しか発症しなかった。このことから、部分精製骨格筋ミオシンの中で主に筋炎の発症に関与するのはC蛋白であることが明らかとなった。 次に、筋炎病巣中よりT細胞を分離し、RNAを抽出後、T細胞レセプターVβ鎖(Vβ1-20)に特異的なプライマーと蛍光色素標識Cβプライマーを用いたRT-PCRを行った。PCR産物を変性後、ウレア加ポリアクリルアミド・ゲル上で電気泳動し、その泳動パターンを蛍光イメージ・アナライザーで分析した。正常T細胞ではランダムにT細胞レセプターの遺伝子組み替えが起こるので、各T細胞レセプター・サブタイプにおいて、5-7本のバンド(スペクトラタイプ)が認められる。一方、免疫疾患の発症に関連して、特定のVβを持ち、かつ特定の遺伝子組み替えを起こしたT細胞が増加しているような場合、この分析では特定のバンドの密度が増加して、T細胞レセプターのオリゴクロナリティが認められることになる。これらの検索をC蛋白で誘発した多発筋炎において行い、Vβ8.2とVβ10の活性化を認めた。現在、これらのT細胞レセプター遺伝子を含むバンドをゲルより切り出しクローニング後、各クローンのCDR3領域の塩基配列を決定しつつある。この分析により、特定のT細胞レセプターが認識する抗原分子の特性を明らかにすることになる。
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